ヤン・デ・レーウ「15の夏を抱きしめて」

岩波書店のSTAMP BOOKSは、ティーンの喜びや悩みをつづった海外作品シリーズ。海外から届くエアメールのように、切手(STAMP)マークが目印です。
本シリーズから、ベルギーの作家ヤン・デ・レーウ (Jan De Leeuw) の「15の夏を抱きしめて (Vijftien wilde zomers)」が刊行されました。

大切な人を失ったとき、人はどのように立ち直ってゆくのか。トーマスは15歳で死んだ。元恋人のオルフェー、母親、祖父には、まだ彼の姿が見える。トーマスも、現実を受けとめきれないオルフェーや、崩壊寸前の家族を静かに見守っている。愛と悲しみ、過去と現在が、重層的に織りなす物語。
喪失のその先を、情感豊かに描き出す意欲作です。

ヤン・デ・レーウ (Jan De Leeuw)
1968年、ベルギーのアールストに生まれる。心理学を専攻。大人のための作品や青少年向けの戯曲を発表したあと、2004年『羽の国』で青少年文学の作家としてデビュー。この作品で「本の子どもライオン賞」、翌年『夜の国』で「金のフクロウ・若い読者賞」を受賞。10代の少年少女を読者とする作品を書き続けている。ベルギーのオランダ語圏で注目を集める作家のひとりであり、ドイツや北欧でも高く評価されている。

訳者 西村由美
東京外国語大学英米語学科卒。1984年から1986年までオランダ在住。帰国後、外務省研修所などでオランダ語を教えるとともに、オランダ語作品の翻訳に携わる。
ベルギーの作家バルト・ムイヤールトの『調子っぱずれのデュエット』など、訳書多数。