「IMAGINE 2」写真展 @大阪国際交流センター

「IMAGINE」は、写真家ニック・ハネスがキュレーターとしてプロデュースする若手写真家のグループ展シーリズです。年に1度、今後の活躍が有望視されている新進気鋭の写真家をニックが厳選して、日本の皆さまにご紹介しています。今回、その第2弾となる「IMAGINE 2」では、女性写真家2名によるカラー作品2シリーズを展示します。

A lamb named Beauty」/ アンソフィー・ケステレイン (An-Sofie Kesteleyn)

双子の姉妹キンベルリーとヒュウェンドリンを被写体にして、ふたりの日常を追い続けたカラー作品シリーズ。撮影を開始したのは2007年。当時、まだ10歳だった姉妹も、今ではすっかり乙女に成長した。ふたりは、アンソフィーの故郷からも近いフランダース地方にある村で暮らしている。人里離れた環境で倹しい生活をしているが、アンソフィーは彼女らの生活に焦点を当てるのではなく、双子の姉妹というものに備わる美しさを映像に収めることに徹しようとした。姉妹がいたわりあう姿や、まわりの動物たちの世話をする様子をあるがままに捉えた。姉妹は、互いの愛情を拠り所にしながら、ふたりだけで完結した世界の中で生きているかのようだ。

アンソフィー・ケステレイン (An-Sofie Kesteleyn)

1988年ベルギー・アウデナールデ生まれ。ゲント王立美術アカデミーにて写真を専攻。2011年にマスタークラスを卒業し、現在オランダの大手新聞社Volkskrantに務める。ドキュメンタリーの伝統的手法を踏襲し、どんな場合であれ強引にリアリティを演出するようなまねはしない。時折、ふたりの姿が2匹の猫のように見えるときがある。それはポートレート写真の中で、双子の姉妹がカメラを直視している場面だが、その表情が意図するものはわからない。ふたりの間にただよう神秘のベールは決して剥がせるものではない。

Ísland」/ マルシュカ・ラヴィンネ (Maroesjka Lavigne)

このプロジェクトは2011年3月にスタートした。これまで訪れたことがなかったアイスランドを4カ月かけて巡る。光は明るく、色彩は鮮やか、そして旅が終わる頃には太陽は夜通し輝き続けていた。なごり雪が大地を覆い、真っ白な空間が広がる。これで風景が刷新されることになり、美しい景観はより生き生きとした描写を生み出す。この景観が真冬にはどのような様相を呈するのかという好奇心にかられ、マルシュカは1月に再びこの地に戻り1カ月滞在することを決意した。冬季、アイスランドは闇の中に青一色の世界が広がり、色彩はことごとく消え去る。街並みは、山並みの影になり自然現象から避難する場所を求める模型のように映る。感激の一瞬を表現するのがマルシュカの狙いである。

マルシュカ・ラヴィンネ (Maroesjka Lavigne)

1989年ベルギー生まれ。ゲント大学にて写真を専攻し、2012年夏にマスタークラスを卒業する。オランダおよびベルギーにて数々の写真展を開催。2012年に完成したプロジェクト「Ísland」のために、ラヴィンネは4カ月アイスランドに滞在している。自らハンドルを握ってアイスランドを旅し、色彩、光そして被写体が彼女のイメージ通りに解け合う瞬間を追い求めて、冬は雪に覆われ閉ざされた風景を、春は花が咲き乱れる景色を撮影した。そして「Ísland」のタイトルで写真集を出版。現在、ゲントを拠点に活動している。

会期 2013年7月8日(月) ~ 2013年7月21日(日)
月〜金 10:00〜17:00 土・日・祝 12:00〜18:00
場所 Flanders Center
共催 公益財団法人大阪国際交流センター