TRANSNATIONAL ART 2016 by ロブ・ワルバース

「TRANSNATIONAL ART 2016」 とは、日本はもとより世界中のアーティストが一堂に会して、大阪からグローバルな現代美術の表現を、可能な限り幅広いジャンルで展開する国際交流展です。 本展は、現代美術の動向と最先端をわかりやすく伝えて行くことと、アーティスト同士の交流を促して、海を越えて彼らの作品が世界中を行き交い発展させる役割を担っています。

「No Ma(n)d’s Land」- © Rob Walbers

ベルギーからはロブ・ワルバースが参加。2011年と2013年に続き3度目となる今回は、特設スペースにて「No Ma(n)d’s Land 」を展示します。昨年9月に東京にて本シリーズ写真展が開催され、好評を博しました。大阪では初お披露目となります。

会期:2016年2月2日(火) ~ 2月7日(日)
11:00 ~ 19:00  (最終日のみ11:00 ~ 15:00)
会場:大阪府立江之子島文化芸術創造センター

ロブ・ワルバース(Rob Walbers)
1981年ベルギー生まれ。
2004年にKarel de Grote-Hogeschool Antwerp 音楽映像学部写真学科を卒業した後、アントワープにてフリーランスフォトグラファーとして活動を開始する。 ポートレイトを中心に、 アーティスト、 ミュージシャン、ライヴ、ファッションなど、 あらゆる被写体を撮り続けるかたわら、個展やグループ展などに積極的に参加する。2010年に来日し、フランダースセンターにて日本で初の個展を開催。日本を拠点に活動の場を広げ、2011年より知的障害者による創作物の魅力を発信するプロジェクト「PR-y(プライ)」に写真家として参加し、作品集「THE CORNERSTONE」(2012年1月31日発行)、「DISTORTION」(2014年2月1日発行) および
「DISTORTION2」(2014年8月30日発行)を出版している。
2014年には、ロック・ポップスの写真家に送られるベルギーの賞「JAZZ BILZEN」で最優秀賞を受賞。現在は拠点を東京に置き、 ファッション、 ライヴ、 ポートレイトの分野で幅広く活動を続け 、そのユニークな世界観でさらなる飛躍を遂げている。

「No Ma(n)d’s Land」
モンゴルへの旅は私の長年の夢だった。先進国で暮らす私は、遊牧民(ノマド)の素朴な生き方を肌で感じたかったのだ。鉱山業の発展と先端技術による近代化の波がモンゴルの遊牧民の生活を一変しようとしていることを知った私は、遊牧民の文化が消滅してしまう前に、何としてもその生活の変化を自分の目で確かめたかった。
近代化によってどれだけ生活が向上しても、遊牧民の真の力は、彼ら自身の心に、体に、魂に宿っている。その力は私が知る何ものにも増して大きく、技術の力などはるかに凌駕している。私は彼らの眼差しの中にその力の煌きを見てきた。彼らはこの力に励まされ、愛着をもって遊牧民としての生き方を貫いている。そしてその力に魅了された私は、唯一無二の存在である彼らの姿を追い、記録に残してきたのだ。