オペラ「眠れる美女 ~ House of the Sleeping Beauties ~ 」

東京文化会館開館55周年および日本ベルギー友好150周年を記念して、オペラ「眠れる美女 ~ House of the Sleeping Beauties ~ 」が日本で初上演されます。

本作品は、川端康成の中編小説「眠れる美女」をベルギーのジャズピアニストで作曲家のクリス・デフォート(Kris Defoort) とプロデューサーのギー・カシアス(Guy Cassiers) が2009年にオペラ化したもの。
女声コーラス4名が眠る若い女性達の肉体を、ソプラノが江口老人の行動や思考、そして物語の重要な役割を担う「自然」を描写。江口老人の役をバリトンが演じ、若い女性達に抱く第一印象、そして彼女たちが呼び起こす老人の過去の女たちの思い出を表現します。
また今回は、ベルギー・モネ劇場での初演スタッフとダンサーの伊藤郁女氏に加え、長塚京三氏と原田美枝子氏が出演します。

「眠れる美女」は、川端康成の後期を代表する作品で、デカダンス文学の名作と称されており、1962年には第16回毎日出版文化賞を受賞しています。ヨーロッパをはじめ各国で翻訳されているほか (オランダ語訳タイトル”De Schone Slaapsters”)、日本のみならず海外でも映画化されている名作。ヨーロッパ各地で上演され、高い評価を受けている本作品を、ぜひこの機会にご覧ください。

公演日 : 2016年12月10日(土) & 11日(日)   15:00開演
会場:東京文化会館 大ホール

クリス・デフォート (Kris Defoort) : 作曲・台本
ベルギー生まれ。アントワープ王立音楽院にて古楽とリコーダーを、リエージュ王立音楽院にてジャズや作曲などを学ぶ。ライオネル・ハンプトン(Lionel Hampton)、ディジー・ガレスピー(Dizzy Gillespie) らと共演した経歴をもつほか、エリザベート王妃国際音楽コンクールやアムステルダムのロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団に曲を書き下ろすなど、多岐にわたり活動を行っている。2004年、フランダース地方のミュージックアワードを受賞。

ギー・カシアス (Guy Cassiers) : 演出・台本
アントワープ出身。アントワープ芸術アカデミー でグラフィックデザインを学ぶ。ヨーロッパで最も革新的なシアター・メーカーの一人で、常に舞台からある程度の距離を置くことで、独自の表現方法を創造しており、文学(言葉)と新しいメディア(映像)の融合による演劇の再定義を試みている。
これまでの業績が称えられ、1997年にフランダース批評家協会からThersite賞が贈られたほか、ヨーロッパ各地で数々の賞を受賞している。1998年よりthe Ro theatreの芸術監督に就任。2006年よりToneelhuisで芸術監督を務める。ベルギー王立モネ劇場で上演された「The Women Who Walked Into Doors」、やミラノ・スカラ座やベルリン国立歌劇場でワーグナーのリング・チクルスなどオペラ演出も手掛けている。