ミヒャエル・ボレマンス、マーク・マンダース展覧会「ダブル・サイレンス」@金沢21世紀美術館

(左) マーク・マンダース《椅子の上の乾いた像》2011-2015
(右) ミヒャエル・ボレマンス《オートマト(I)》2008
Photo: Peter Cox
Courtesy: Zeno X Gallery, Antwerp, Gallery Koyanagi, Tokyo,Tanya Bonakdar Gallery, New York/Los Angeles & David Zwirner

ミヒャエル・ボレマンスとマーク・マンダースは、共にヨーロッパが誇る芸術の歴史を素地に、他に類を見ないユニークな表現で世界に知られる美術家です。この度、はじめて、二人だけの作品で空間構成をする二人展「ダブル・サイレンス」が金沢21世紀美術館にて開催されます。

「ダブル・サイレンス」は沈黙や静寂の中で、作品を通して彼ら自身が対話する空間と時間に、ボレマンスとマンダースが人々を誘う展覧会です。英語の「ダブル」という単語には、掛け合わせや足し上げによる二重や二倍といった意味もありますが、「二つ一緒」「明らかに異なる局面」「対を成す」など、実に多彩な意味が含まれます。いずれも一筋縄ではいかないボレマンスとマンダースによる二人展には、実にふさわしい展覧会名です。ぜひこの機会に、60点余りの作品が呼応する空間に足をお運びください。

展覧会詳細、日付指定入場制チケットのご購入方法など詳しくは下記金沢21世紀美術館HPにてご確認ください。

金沢21世紀美術館

会期:2020年9月19日(土)~2021年2月28日(日)*休館日等は会場HPにてご確認ください

会場:金沢21世紀美術館

Photo: Alex Salinas

ミヒャエル・ボレマンス Michaël Borremans

1963年ゲラールスベルゲン(ベルギー)生まれ、ゲント(ベルギー)在住。ベラスケスやマネなど伝統的な西洋絵画の技法とテーマに強い関心を寄せ、絵画を想像的な世界の窓を開く、普遍的な言語として捉えている。日常に潜む不穏さや危うさを、曖昧で矛盾に満ちた画題で表現する独特の雰囲気を持ち、具体的な意味や物語を拒むコンセプチュアル・アートの影響も強く見て取れる。近年は絵画から派生した映像作品も制作している。シドニー・ビエンナーレ(2018年、オーストラリア)、横浜トリエンナーレ(2011年)、ベルリン・ビエンナーレ(2006年、ドイツ)、マニフェスタ5(2004年、サンセバスチャン、スペイン)などに招待された。2010年にはロイヤル・パレスにベルギー王室のための委嘱作品をシリーズで制作した。

Photo: Cedric Verhelst

マーク・マンダース Mark Manders

1968年フォルケル(オランダ)生まれ、ロンセ(ベルギー)在住。 1986年に「建物としてのセルフ・ポートレイト」というコンセプトを得て以来、マーク・マンダースの作品は全て一つの大きな自画像の一部を構成する。ドローイングや彫刻はそれ自体で完成しているとも言えるが、部分的に互換性があり、どのような組み合わせで「想像上の部屋」に収められるかによって有機的に変化し続ける。インスタレーションはある瞬間に凍結したような不朽性や普遍性を含み、見るものに静寂と不在を感じさせる。サンパウロ・ビエンナーレ(1988年、ブラジル)、第55回ヴェネツィア・ビエンナーレ(2013年、イタリア)にオランダ代表作家として選出された。直近ではボンネファンテン美術館にて大規模な個展が開催され (2020年、マーストリヒト、オランダ)、パブリック・アート・ファンド・プログラム(2019年、セントラル・パーク、ニューヨーク、アメリカ)、ローキンスクエア(2017年、アムステルダム、オランダ)で屋外彫刻も発表している。