2016年10月27日

フランダース文学の翻訳シリーズ「フランダースの声」2冊同時刊行


フランダース文学翻訳セミナー受講生の翻訳による短編集「フランダースの声  現代ベルギー小説アンソロジー」(松籟社)に続く翻訳プロジェクトとして、10月27日に翻訳書2冊を松籟社より同時発売します。
第一弾はエルヴィス・ペーテルス(Elvis Peeters) 著、鈴木民子訳「火曜日(Dinsdag)」、第二弾がペーテル・テリン(Peter Terrin) 著、板屋嘉代子訳「モンテカルロ(Monte Carlo)」です。「火曜日」は、タイトルどおり、ある火曜日に70代の男性が起床してから就寝するまでの一日の様子を、ふとした拍子に彼の脳裏に浮かぶ若かりし頃の思い出と共に描いた作品で、「モンテカルロ」は、F1モナコグランプリのスタートを控えたサーキットで起きた事故から、居合わせた人気女優を身を挺して救ったひとりの整備士のその後の人生を描いた作品です。
フランダース文学の「現在」を紹介する「フランダースの声」シリーズをとおして、ひとりでも多くの方にフランダース文学と作家の魅力を知っていただければ幸いです。

エルヴィス・ペーテルス(Elvis Peeters)

エルヴィス・ペーテルス(Elvis Peeters)
ベルギー・フランダース地方のフラームス=ブラバント州グリムベルゲン出身。本名ジョス・ヴェルローイ(Jos Verlooy)。
1982年、パンクロックバンド「Aroma di Amore」のヴォーカリストとして音楽活動を始める。
1990年代以降は執筆活動も手がけ、1992年に短編集「猿の時間」を刊行してからは、小説や詩集、児童書、脚本など、コンスタントに作品を発表。作品はいずれもエルヴィス・ペーテルス名義だが、妻のニコレ・ヴァン・バール(Nicole van Bael)と共同で創作しているという。国内およびオランダで読まれているだけでなく、ヨーロッパを中心に翻訳紹介されている。
日本語への翻訳は本作が初となる。2006年刊行の「数えきれないもの」および本作「火曜日」は、オランダ語圏で権威ある文学賞であるリブリス文学賞の最終選考作品に残った。「火曜日」はAKO文学賞においてもノミネートされている。

鈴木民子
京都外国語大学ドイツ語学科卒。当センターにてオランダ語を学ぶ。ドイツ語とオランダ語で実務翻訳に従事しながら文芸翻訳を学び、2010年および2011年、フランダース文学翻訳セミナーに参加。当センターが松籟社より出版した現代ベルギー小説アンソロジー「フランダースの声」では、トム・ラノワの作品「完全殺人(スリラー)」の訳を担当した。

ペーテル・テリン(Peter Terrin)

 ペーテル・テリン(Peter Terrin)
1968年、ベルギーの西フランダース州ティールトに生まれる。23歳の時、オランダ人作家ウィレム・フレデリック・ヘルマンス(Willem Frederik Hermans)の小説「ダモクレスの暗室」に出会ったことが転機となり、作家を志す。
1998年に短編集「ザ・コード」でデビュー後、発表作品が数々の文学賞にノミネートされ、評価を高める。
2009年に刊行した「守衛」ではEU文学賞を、2012年刊行の「死後に」ではオランダ語圏の権威ある文学賞AKO文学賞を受賞。フランダース地方の代表的作家として、国内・オランダはもとより、翻訳を通じてヨーロッパを中心に広く読まれている。日本語への翻訳は本作が初めてとなる。

板屋嘉代子
国際外語専門学校英語ビジネス本科卒業。海運会社勤務を経て、1995年から2001年までベルギーのアントワープに滞在する。帰国後オランダ語の実務翻訳に従事する傍ら、フランダース文学翻訳セミナー(2010年/2011年)に参加。現代ベルギー小説アンソロジー「フランダースの声」(松籟社)では、アンネ・プロヴォーストの作品「一発の銃弾」の訳を担当した。他の訳書に「シタとロット ふたりの秘密」(西村書店)がある。

2016年10月24日

ラファエラ・スミッツ来日公演


フランダース出身で世界屈指の8弦ギターの名手、ラファエラ・スミッツ(Raphaella Smits)が再来日します。
1986年、世界的に有名なコンクール「フランシスコ・タレガ国際ギターコンクール」で女流ギタリストとして初の優勝者となったスミッツは、様々な音楽シーンで演奏活動を行っています。ヨーロッパ、東洋、南北アメリカ、そして日本と世界的に活躍し、2002年の初来日以来多くの演奏会を開催してきました。
今回は横浜、東京および名古屋にて公演するほか、特別レッスン会も実施します。

《公演日程》
2016年10月28日(金) 横浜市栄区民文化センター リリスホール 開場 18:15 開演 18:45 
2016年10月29日(土) 現代ギター社 GGサロン(東京) 開場 17:30 開演 18:00 
2016年11月1日(火) 宗次ホール(名古屋) 開場 13:00 開演 13:30

《特別レッスン会》
2016年10月30日(日) スペースSENCE 13:00 ~ 17:00 (聴講生のみ募集)

2016年10月17日

ピエール・アレシンスキー展


圧倒的な筆の勢いと、抽象と具象のはざま、といった独自の画風で勝負するピエール・アレシンスキー(Pierre Alechinsky)は、ベルギー現代美術を代表する画家の一人です。
アレシンスキーは、ベルギー・ブリュッセル出身。高校卒業後、市内の美術工芸学校で本の装丁の課程に入学、ここで版画も学ぶ。1947年、20歳の時に「若きベルギー絵画」というグループに加わる。同年にブリュッセルの画廊で早くも個展を開き、批評家の目に留まる。1948年、コペンハーゲン、ブリュッセル、アムステルダムの頭文字をとって命名されたコブラ(CoBrA)という国際的な芸術家集団の結成メンバーとなる。このグループはまさに威嚇する毒蛇のように、プリミティブで力強く迫力ある作品を世に問いかけ、戦後のヨーロッパ美術の潮流を形作ることとなる。
コブラの活動は短命に終わり、1951年の解散後はパリに移住。
日本とも深い関わりを持ち、禅の画家・仙厓を師と仰ぐほか、前衛書道家・森田子龍と交流があり、その自由闊達な筆の動きに影響を受けました。1955年に来日し、「日本の書」という短編映画を撮影しているほどです。日本滞在のあと、次第に大きなキャンバスや紙を書道のように床に置いて描くようになっていきます。
さらにアレシンスキーはアメリカのコミック本にも刺激を受け、枠を設けて描く独特のスタイルを生み出しました。このほか、文筆家としても活躍するアレシンスキーの絵画作品には、文字や言葉に対する強い思い入れが随所に見受けられるのも特徴です。

本展は日本・ベルギー友好150周年を記念して開催される日本初の待望の回顧展です。
90歳近い現在も、精力的に創作を続けているアレシンスキーの作品約80点が展示されます。

会期:2016年10月19日(水) ~ 12月8日(木)
10月24日(月)のみ休館
会場:Bunkamura ザ・ミュージアム